8)正論でも炎上、9)炎上のメカニズム

シェアする

8)倫理的に正しいことを言っても炎上する!!

倫理的に正しいことを言っていれば炎上しないかといえば、
そうではないケースが最近起こりました。

しかもその発言はネット上ではなく、
テレビで発言したことでした。

<高木美保「我慢しなきゃダメ!」に炎上
近鉄の車掌が乗客対応していたが、
その後客に詰め寄られた結果、
我を忘れ制服を脱ぎ捨てホームを渡り
高架下に飛び降りて重症を負うという事件が発生しました。

これに対して、女優の高木美保さんがテレビに出演した際、
「逃げるマインドがいけない。」
などと車掌を批判。

この発言により炎上が起こりました。

本来であれば彼女の言っていることは
至極まともで倫理的でもある。

車掌は会社の一員として、
そして顧客のために務めを果たすことが求められる。

一般的にいえばむしろ、
「乗務員は悪くない。クレームする客が悪い」
と言うほうが非倫理的であり、炎上するパターンだ。

ではなぜ炎上したのか。

一言で言うと、世間は車掌の方に味方したから。

詳しい報道によると、
26歳の車掌は客からひどい詰め寄られかたをしたため、
「もうこんな仕事やってられるか」
と叫んで、帽子と上着を脱ぎ捨て線路に飛び降り、
さらに8メートルの高架から飛び降りた。

結果腰椎骨折の重傷

その後、署名を集める運動に発展して、5万人以上に達したという。

これが単なる職場放棄であれば、
車掌は普通に批判されていたのかもしれません。

しかし今回は自殺未遂にまで発展して重傷を負ったことが
皮肉にも同情を誘ったといえるでしょう。

最近の世論は悪い職場環境に敏感で、
「お客様は神様」を許さない風潮になっています。

つまり客の理不尽なクレームにうんざりする人が増え、
「被害者だ!」
と主張する“客”に疑問を持つようになったということ。

この炎上事件は2重の意味で注目すべき事案でした。

1つは一般的に倫理的なことを言っても
世間のムードと逆のことを言うと炎上する。

そしてもう1つはネット外での発言でも炎上するということ。

9)炎上の恐怖のメカニズム!

炎上が一度始まると、
例え匿名で作成していたアカウントであっても、
あっという間の短い時間で身元がばれてしまいます。

一日、二日ではなく、数時間程度です。

もっと早いと数十分。

理由は、炎上しているときに一気に集まってくる人の数は
100万人以上いるため、必ずといって良いほど
炎上してる人のことを知っている人がいるのです。

インターネットで馬鹿騒ぎを起こしたら、
絶対に身元がばれるということ。

では炎上事件は、どのように
取り返しのつかない事態へ
と突き進んでいくのでしょうか。

ある中学生3人が、同級生を暴行している
いじめ動画」をユーチューブに投稿した事例を挙げます。

少年たちは夜8時すぎに、スマホから動画をあげました。

炎上が始まったのは、そのわずか10分後です。

動画は2ちゃんねるに転載されました。

そしてジャージのデザインから、
通っている中学校が特定されました。

在校生名簿がすぐに転載され、
動画内での呼び名と名簿との突き合わせが始まります。

最初の一人目は50分後に、身元がばれています。

残りの二人も、すぐでした。

さらに父親の会社や電話番号、学校の担任、
自宅の外観写真
が次々と投稿されました。

すぐに家に住めなくなりました

住めなくなったので引っ越します。

すると引っ越し先はどこ、とネットで追及が始まります。

今も3人分の引っ越し先の住所番地が載っています。

炎上は、一度はじまったら燃やし尽くすまで止まらない
ということが分かっていただけたのではないでしょうか。