WEB利用時間とスマホ利用者数の急増

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5)伸び続けるインターネット利用時間

インターネットは国民の生活に深く浸透し、
今や若年層から高齢者まで幅広く利用されるようになりました。

総務省の統計では、インターネット利用者数は既に
2013年から1億人を突破し、
人口普及率は83%
に達しています。

利用頻度でいうと、毎日少なくとも1回利用している人、
つまり毎日利用している人が、75.8を占めています。

図1は、インターネットの利用頻度を年齢別で表したもの。

ここでは利用頻度を、「よく利用している」「時々利用している」
「利用したことがある」「利用したことがない」の4つに分けています。

そのうち「よく利用している」が
「16~19歳」から「40代」まで80%以上を占め、
「60代」でも、35.4%です。

(図1)

1日当たりのインターネット利用時間では、
全世代平均で、2015年まで毎年次のように伸びています。

平日:71,6⇒ 77.9⇒ 83.6⇒ 90.4(分)
休日: 86.1⇒ 100.6⇒ 113.7(分)

つまり現在では、平日と休日の加重平均で
1日約100分利用していることになります。

2年前まではこの数値がほぼ0でした。

1日の睡眠時間を7時間として考えると、
起きている時間である17時間の中で、
約10%の時間をインターネットに費やしています。

特に利用時間が長いのが10代と20代で、
10代では平日112.2分、休日221.3分、
20代で、平日146.9分、210.0分です。

つまり10~20代では1日平均2~3時間利用している
ということになります。

以上の統計データからわかることは、
日本のインターネット人口普及率は83%から
今後大きく伸びることは考えにくいものの、
利用時間が今後も伸び続けると思われます。

利用時間が長くなればなるほど、
利用リスクが高まるのはごく自然なことといえます。

しかもそれは利用時間に比例してリスクが高まるのではなく
幾何級数的に増えるのです。

なぜなら、Web上の犯罪はどんどんと巧妙化し、
炎上もごく日常的に起こるようになってきているからです。

6)異常なスマホ利用者数の急増ぶり

平成27年末、「携帯電話・PHS」及び「パソコン」の世帯普及率は、
それぞれ95.8%、76.8%となっている。

また、「携帯電話・PHS」の内数である
「スマートフォン」は72.0%(前年比7.8ポイント増)
と急速に普及が進んでいます。

過去5年の動きでいえば、スマートフォンが急速に伸びている反面、
固定電話とパソコンは漸減傾向になっています。

インターネット利用端末の種類では、
パソコンが56.8%、
スマートフォン54.3%
とほぼ拮抗しています。

ただここ数年の傾向からするとすぐに
スマートフォンの比率が
パソコンの比率をすぐに上回ることになるでしょう。

ちなみに3番目がタブレット型端末で18.3%。これも今後伸びることでしょう。

毎日の生活に必要な情報の取得手段(図2)では、
「16~19歳」から「30代」で、
テレビと携帯電話(スマートフォン含む)がほぼ拮抗しており、
「40代」から上でテレビが主になっています。

携帯電話とパソコンを比べると「16~19歳」から「40代」で、
携帯電話が上回っており、
逆に「50代」以上では、パソコンが上回っています。

(図2)

友人と、どのような方法を用いてやり取りするか(図3)については、
「20代」から「60代」のすべての年代で携帯電話が一番多い。

「16~19歳」では、直接会って話すが一番多く、
次が携帯電話での文字のやり取り。

「70歳以上」では、固定電話が一番多い。

(図3)

引用:平成 27 年度「国語に関する世論調査」の結果の概要(文化庁)
http://www.bunka.go.jp/koho_hodo_oshirase/hodohappyo/pdf/2016092101_besshi.pdf

端末利用率の外国(米国、英国、ドイツ、韓国、中国)との比較では、
日本のスマートフォン利用率が60.2%と低く、
フィーチャーフォン(ガラケーと呼ばれるスマートフォン以外の携帯)の
割合が突出して高い。(図4)

タブレットは日本が19.5%なのに対して、
米国57.2%など外国がはるかに高い。

(図4)

日本では他国と比べてまだフィーチャーフォンの利用率が高いために、
今後さらに大きくスマートフォンの利用率が上がる可能性が高いでしょう。

スマートフォン利用率が約60%なので、
これから少なくとも20%以上伸びる余地があります。

従って、今後インターネット利用の
主役が完全にスマートフォン
になります。

ご存じの通り、今や町中どこに行っても人々はスマホに見入っています。

レストランや交通機関内など問題のない場所であれば良いのですが、
「歩きスマホ」、「自転車スマホ」、自動車運転中、
コンサート会場や映画中など問題の起こりやすいところでも珍しくありません。

今や「試験中」など明確に使用が禁止されている場所以外で、
スマホを利用していない場所を探すのは難しいのではないでしょうか。

既にスマートフォンの利用で多くのトラブルや問題が起こっています。

詳細は2章以降に譲りますが、
今後スマホでのインターネット利用時間が長くなる
という傾向は止めようがありません